診療の信念
こころとからだ、即ち病気を身体だけでなく、心理面、社会面をも含めて、その人をとりまく環境等も考慮して、それぞれの要素を分けずに、その関係性(心身相関)も含めて、統合的にみていこうする医療を目指します。このためコミュニケーションを大事に考えています。また患者のニーズ(希望)を背景にした医療の実践を目指します。しかし、それは単に医師がイエスマンになることを指してはいません。必要なアドバイスを散りばめた診療を行います。そのため、診察の結果、そのニーズへの対応が当院では不可能な場合には他医療機関への紹介、その後の診療をお引き受けできない場合もあります。
心療内科と認知症と訪問診療と・・・・
私の中では一つにつながっています。
私が介護・福祉との連携も含めて実践したい医療へ考え方の紹介をいたしたいと思います。
1つ目に心療内科で主な対象疾患の一つである「心身症」の定義から踏まえるに心身症の症状は非常に多岐にわたりどんな症状でも起こり得ると言っても過言ではありません。そこで治療には発症や経過に絡んだ心理社会的背景、病歴、職歴、性格,人生観、周囲との関係性を充分に踏まえたものが重要です。
2つ目に認知症の治療で重要なのはパーソンセンタードケアといわれ、それは認知症をもつ人を一人の“人”として尊重し,その人の視点や立場に立って理解し,ケアを行おうとする認知症ケアの考え方です。認知症の患者様それぞれ個人個人が一人ひとり違ったれ基礎を歩んでこられ、現在に至っています。そのうえで心理社会的背景、病歴、職歴、性格,人生観、周囲との関係性などを踏まえて医療や福祉などのそれぞれの観点から支えていく必要があると思います。
3つ目に訪問診療をご利用になられる大半は高齢者が占められると思いますが、その多くは寝たきり、もしくは何らかの樹上で医療機関に通う機会がなかなかないものなど医療、福祉、介護などが時によっては届きにくかった方々であることが多く見受けられます。それに至るまでの病歴、職歴、性格、人生観、周囲との関係性などを医学・医療、福祉、介護が連携して支えていく必要があると思います。
今までの自分の経歴において、心療内科を中心として修練しその時点では様々な全体を俯瞰し多職種と連携することの必要性を認識しました。医師が独りよがりになって医学・医療のみからの視点にとらわれていては事足りません。さらにその後、認知症や在宅医療に携わりそこで思ったことは、介護や福祉の知識を携えその実効性を伴った実践でした。医療・介護・福祉を連携させ過不足なくそれぞれの役目が果たせられるようにマネジメントをすることです。介護福祉専門員(ケアマネージャー)、認知症ケア専門士の資格を取得することを通じ勉強いたしました。これらの知識を生かして、各領域の専門スタッフと連携を取りながら治療に当たりたいと考えています。
外観・クリニック内のご紹介
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